4年前に新調した中須賀の飾り幕で、高欄幕は謡曲「海士」で有名な物語をモチーフにしています。竜王に奪われた面向不背の玉を、藤原不比等と交わった海女が一子=房前を儲け、その相続を約束して、一人、海中の竜宮からその身と引き換えに玉を取り戻す話です。
地歌
親子の契り 朝潮の波の底に沈みけり 立浪の下に入りにけり
太鼓を担き棒で、担きあげ打ち鳴らす祭りは、瀬戸内海、大阪湾、紀伊水道、豊後水道の沿岸に広く行われていて、おそらく海上民の活動範囲と一致するのだろうと思います。私の里のほうでも、戦後しばらくは、「まてつき」と呼ばれる、マテガイを採りに来た船団が湾内に集まって停泊し、そのシーズンをその船の上で女子供を含めた生活をする光景があったようです。このような、海上民と深い関係をもったと思われる中世に活躍した海賊の、小舟を巧みに操り、離合集散する動きを、今に伝えているのが太鼓台、中でも豪華な装飾とその巨体を誇る新居浜の喧嘩太鼓は、不測の事態に備えて指揮系統の組織がしっかり整備されていて、太鼓の速度の変化、掛け声のバリエーションなど、まさしく、瀬戸内の覇権を争った平氏と源氏の合戦図を彷彿とさせるものがあります。


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